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私がADの仕事に疑問を抱くようになったきっかけ。-演者と製作陣の関係性-

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誰もいない薄暗い早朝の街を闊歩することは本当に気持ちが良い。

昨日あんなにモヤモヤしていたことが嘘のように気持ちが晴れ晴れしている。

これを習慣にできれば、毎日前向きに生きていけるかも?

 

 

会社の忘年会。

 

先日、会社の忘年会が開かれた。

幹事は今年に入社した若手社員達。

グループ会社を含めると500人近くの社員が在籍している弊社の忘年会。

 

それそれの部署やグループごとに幹事が取りまとめ、

ビンゴゲームや余興などの準備を進める。

 

私はというと、忘年会当日のMCを担当することに。

といっても、立候補したんですけね。

 

司会はある程度のスケジュール管理と進行をやっていれば

あとは自由に喋って良い、という認識だったので。

 

あとは、人前に立って笑いを取れる久々の機会。

ここを逃してはもったいないと、さまざまな思いを胸に立候補。

 

 

MCとして人前に立つ、ということ。

 

 

忘年会の準備、そして本番も無事に終えることができた。

自分の思った通りであった。

 

司会進行は楽な役周りである。

人前で話すことに抵抗がないひとにとっての話になるが。

 

自分のやりたいように本番に臨んだところ、

翌日課長は『近年稀に見る名司会』とお褒めの言葉をいただいた。

 

ほとんど自分の思ったように喋り倒して、単純に楽しくもあった。

 

やはり、企画の準備などを進めていく裏方の方が大変だと実感した。

ビンゴゲームの商品の買い出しに行き、経費で落ちるとは言え建て替えをし、

企画の細かいところまで詰めて、音楽を流すために音源を準備したり。

パソコンも準備して、当日早めに会場入りし、軽くリハーサル。

 

もちろん私もやれる限りのことは協力したが、

それでも準備はそれなりに大変だった印象。

 

 

出演者と製作陣の関係性。

 

 

そんな日々を過ごしていて、感じたことが1つ。

 

この関係性は、

テレビ番組制作現場の『スタッフと出演者』のそれと同じではないかと。

 

もちろん、忘年会とテレビ番組では規模も全く違うし、

準備の内容も天と地の差がある。

出演者も事前に準備することはたくさんあるだろうし。

 

それでも、

一度は制作現場のスタッフに身を置いていた私にとってはやはり、

出演者はスタッフよりも楽な役回りだと思わざるを得なかった。

 

私が社会人一年目に担当していた報道番組における場合は特に。

 

 

報道番組時代の演者と製作陣。

 

 

その番組での私は、帯番組の一曜日担当として番組の準備を進めていた。

 

毎回1つのテーマに沿って専門家や政治家を呼び、

二時間生放送で討論する番組だった。

 

準備は放送の1週間前からもちろん行い、放送前日は家に帰れないこともあった。

10時に出社し、終電までほぼ毎日仕事をした。

 

これがテレビ制作の現場だ、といわんばかりの日々。

バラエティ番組に比べたら帰れる日も多いのでマシな部分もある。

が、さすがの仕事量と労働時間である。

 

一方番組の出演者さんはというと、

MC放送陣はオンエアの前日と当日の2回、スタッフを交えて打ち合わせをする。

 

それでゲストの方たちにどのような設問をなげかけるのか、

どのようにトークを展開させていうくのか、方向性を固めていく。

 

基本的にはほとんどスタッフ主導。

キャスターの方で政治討論番組の達人のような方がいて、

その方が指摘したことに対して修正を加えていく。

 

そして本番、生討論が繰り広げられる。

決められた台本と、キャスターの軽快なトークを通じて番組が進行していく。

 

 

『そうなれたら最強。』

 

 

メインキャスターの方の政治に関する見識は、

もちろん番組スタッフの誰よりも秀でている。

 

その方がいるからこそ、番組は良質を保てているといっても過言ではない。

 

 

『そうなれたら最強。』

 

 

これが結論である。

 

制作スタッフとして裏方に回り、異常な労働時間をかかけて番組の骨組みを作る。

センスと見識の塊のようなキャスターが、それを元に自己流である程度自由に回す。

 

後者でありたい。私はそう思った。

 

もちろん、類い稀ないセンスと、

そこまでの見識を育てるための並々ならぬ努力が必要であることはわかっている。

 

それでもやはり自分が考えた企画。

それをもっとも生かせるのは自分しかない。

 

もちろん、自分にはない魅力をもった人間はいくらでもいる。

芸能界なんて、そんな人しかいない世界だ。

 

その中の、自分の大好きな人たちを軸に企画を考え、コンテンツにしていく。

それももちろん楽しい。

 

そして、それこそが裏方のクリエーターの仕事。

 

ただやはり、

 

『自分の人生は自分が主役でありたい。』

 

私はそう思ってしまった。

 

そして、ADの仕事にどんどん疑問を抱くようになってしまった。

 

私はやはり、自分が面白いと思ったことを表現したい。

そして、人生の主人公は自分でありたい。

 

そう思った時、私は退職を決意していた。