『私のおじさん』に見るテレビ業界の実態を元ADが徹底検証。第1話(後)
きょうはなぜか仕事でほとんど疲れていない。
帰りの満員電車の方が疲れたような気さえする。
いや、満員電車は疲れます。なんとか乗らないように毎日過ごしたい。
AD奮闘ドラマ『私のおじさん』
テレビ朝日で放送中のドラマ、『私のおじさん』。
ご存知のお方はいらっしゃるでしょうか。
このドラマはテレビ業界やADのあるあるが劇中で描かれています。
じゃあ、
このドラマのどこからどこまでが、
テレビ業界の実態としてリアルに描かれているのか??
それを元ADが自らの経験をもとに徹底検証してみよう。
と思ったのです。そしてこの記事を書きました。
さあ、今回も始めていきましょう。
⑤ ロケ前日にロケ場所が仕込めていないなんて、アリ?
これは、アリです。
大アリです。
ロケ仕込み担当としては心が休まる暇もないですが、
これは普通にある気がします。
主人公の一ノ瀬が配属になったバラエティ番組で、
激辛料理を提供するお店でロケをすることになっていたのだが、
ロケ地候補リストのお店は軒並み取材NG。。
そんなこんなで、ロケ前日までお店が仕込めていない状況に。。
なーんてこと、まあ、普通にあるような気がします。
今回のドラマのように、『激辛料理を提供してくれるお店』
みたいな、広いイメージでロケをする予定なら、なおさらあるのでは。
私が沖縄ロケをしたとき、
事前にロケ地候補リストはあげていたものの、
業務が忙しすぎてロケの下見で回るお店の撮影許可を下見前日まで
とっていなかったことがあります。
(これはまじで心臓に悪いので、このあとロケ地仕込みは最優先事項にしました)
以外とすんなり撮影許可ってとれちゃうことも多いので、
『まあ、いけるだろ。』って放置しちゃってたんですよね。
気づいたらもう明日にはロケ下見だ!!ってなった時の心労は未だに覚えてます。
地方ロケとかだと、スケジュール確保なんかも大変だったりするので
ロケ前日に前乗りをして候補地の下見を行い、そこで直接取材交渉、、
なんてこともありました。
まあ、ゆるーい食べ歩き番組だったので、
それについてはそんなに心労はなかったですけど。
ちなみに、ドラマの中では一ノ瀬が仕込んだお店が、
当日急に取材できなくなってしまう(店が休みだった)なんて状況になってます。
取材許可とったのに、当日急に取材できなくなる。
これも、私は経験アリです。
某沖縄の有名商店街のハンバーガー屋さん。
ここは随分と前から仕込みをして、撮影許可も得ていたお店。
下見でもお話をさせてもらって、ロケの時間帯も伝えて、
当日はよろしくお願いします!!なんて言って迎えた当日。
『店が忙しくて、対応できる状況じゃない』
そんなことを言われてしまいまして、まさかの取材NG。
これはお店からすれば仕方のないことなんですけどもね。。
誰も悪くない。
まあ、あとでディレクターにめちゃくちゃキレられたんですけどね。
⑥ 『唐辛子1,000個用意して!!』 ってアリ?
これは、、ナシでした。私は。
激辛料理企画で使用するからと、
いきなりこんな無理難題を言われた一ノ瀬。
近所を駆けずり回り、唐辛子をかき集めることになります。
私は経験しませんでした。
もっと業界を広く見渡せば、あったのかもしれません。
とか言ってたら、思い出しました。ありました。
『ハッピーターンの包み紙、ありったけ用意して。』
って言われたこと、ありました。
私は近所のスーパーを駆けずり回り、ハッピーターンを買い占め、
仕事をしながら食べ続けました。もちろん一人では限界があるので
周りの人たちにもおすそ分けしながら、たっくさん用意しました。
結果、めちゃくちゃ太りました。
一生恨みます。
⑦ 退職願の書き方をネットで調べる ってアリ?
これは大アリですね。
私がやりました。
これADの時に3回くらいやりましたね。
仕事が辛くて辛くて、もうやめてやる!!ってなって、
退職願を書きましたね。
まさに、ドラマの中の一ノ瀬と全く同じ。
『辞表じゃなくて、退職願だよ』
なーんて、遠藤憲一に言われてましたけど、
『退職願じゃなくて、退職届だよ』
って言いたくなりましたね。
退職願だと、受け入れ拒否されることもあるんですけど、
退職届だったら、もう上司の机の上に置いて逃げたところで、
二週間後には会社を辞めていいことになりますから。
本当にやめたかったら、 『退職届』 、書きましょうね。
⑧ 取材先の人からのお礼のメールが嬉しい。。 ってアリ??
これは、大アリですね。
主人公の一ノ瀬さんが第1話で
『もうちょっとAD頑張ってみよう』
って思うシーンですね。
やっぱり私も、日々の仕事が地獄だったのですが、
取材先の人たちが優しくしてくださったり、
完成した番組を見てお礼のメールを送ってくださったり、
そういう時は『やってて良かった』って思いましたね。
そういうこともあって、
今もお客様と関わりのある営業職をやってる、ってとこもありますからね。
今思い返してみても、あれは嬉しかったなぁ。
たくさんたくさん、思い返します。